スリップしない人なんていない。ギャンブルやめました、あと一生やりませんっていう簡単なものなら、僕らは苦労していない。そこが依存症の不思議なところ。


スリップするかしないかなんて紙一重である。例えば自由に使えるお金が手元に3万円あったら、僕はギャンブルをしない自信がない。だから持たないのだ。予防策は大事である。


いざ、ギャンブルしようかなあっと思った時にお金がなければ、衝動が収まるまで時間稼ぎができる。依存症者はそういう紙一重のところにいる。だから自助グループに通うし、学習もしなければいけない。


スリップは誰にでも起こり得ることだ。仲間の話で2年に1度スリップする人もいるし、1年経ってスリップする人もいるし、10年経ってスリップする人もいる。だから珍しいことでも何でもない。


ただ、それからどう立ち直せるかが問題なだけで。そういう時、正直に話せる環境を作っておくことが大事ですね。僕も今は順調ですが、明日スリップしているかもしれません。そういうもんです。


だけど、それが家族にとっては理解に苦しみところですね。家族にとってはあんな思いをしたのに、またやるのかと愕然とするかもしれません。


それくらい、スリップに対する見方は当事者と家族とでは違うのです。


当事者にとっては本当に螺旋階段を上っては下り、上っては下りして回復するものなのかもしれませんね。僕もここまで10年はかかっていますからねえ。順調だったり、あきらめてみたり、どうしても止まらなかったり。


パートナーにとってはとてもつらいところですよね。わかっていても裏切られた気分だし、信用できなくなるし、でも好きだから信じたいし。


どちらにしろ、よく話し合ってみることが大事だと思います。自分の気持ちを話してみるって大事ですよ。


台風、被害に遭われた方、お見舞い申し上げます。今日一日です。